オフィス縮小で余った家具を売却するには|残す・売るの仕分けと進め方【関東4拠点】
2026年8月3日
「フロアを半分返すことになって、デスクが30台余るんです。捨てるしかないですかね」——ここ数年、このタイプのご相談が目に見えて増えました。事務所を閉めるわけではない。引っ越すわけでもない。オフィスは続くけれど、家具が余る。出社率の変化、フリーアドレス化、減床。理由はさまざまですが、共通するのは「閉鎖や移転の情報はネットにあるのに、縮小のやり方は意外と書かれていない」ということです。
縮小に伴う家具の売却は、閉鎖とは勘所が違います。全部出せばいい閉鎖と違って、「残す家具」と「売る家具」を選び分け、業務を止めずに搬出する必要があります。そして意外と知られていないのが、余った家具を「とりあえず空きスペースや倉庫に置いておく」ことの損失です。
今回は、中古オフィス家具の買取で20年以上、縮小案件に立ち会ってきた現場の目線から、余った家具の仕分け基準と売却の進め方を解説します。
目次
オフィス縮小で家具が余る3つの場面
場面1:座席数の削減・フリーアドレス化
出社率に合わせて座席を全員分から共用席に切り替えると、デスクとチェアがまとまって余ります。特にフリーアドレス化では、個人用の袖机(ワゴン)やロッカーの必要数が減りやすいため、売却候補の中心になることがあります。
場面2:フロア返却・減床
2フロア借りていたうちの1フロアを返す、同じビル内で小さい区画に移る。賃料削減の効果が大きい分、返却日という期限があり、閉鎖に近い段取りが必要になります。返すフロアの家具は退去日までに全量搬出です。
場面3:レイアウト刷新に伴う入れ替え
会議室を減らして集中ブースを作る、大型の役員家具を軽量な物に替える。この場合は「古い家具の売却」と「新しい家具の導入」が同時に走るので、搬出と搬入の日程を業者側で揃えられるかが段取りの鍵になります。
閉鎖・移転と何が違うのか
縮小案件の特徴を、閉鎖・移転と比べて整理します。
| 観点 | 閉鎖・移転 | 縮小 |
|---|---|---|
| 対象 | 原則すべて(全量搬出) | 一部だけ。残す・売るの選別が必要 |
| 業務への影響 | 退去後は無人。作業自由度が高い | 稼働中のオフィスでの作業。業務を止めない配慮が必要 |
| 期限 | 解約日で固定 | フロア返却型以外は柔軟。ただし後述の「売り時」問題がある |
| 数量 | 多い | 数点〜数十点の小〜中ロットが中心 |
実務で重要になるのは「業務を止めない」ことです。搬出は業務時間外や週末に設定し、対象家具を事前に1か所へ集約しておくと、執務中の社員の近くを台車が行き来する状況を減らせます。作業範囲を区切り、収納物や書類を事前に回収しておくことは、情報管理の面でも有効です(搬出時のセキュリティは別記事「オフィス家具の買取・搬出で情報漏洩を防ぐ」で詳しく解説しています)。
「残す・売る」の仕分け基準
縮小で一番悩ましいのがここです。「また人が増えるかもしれないから残しておこう」が積み重なると、余剰家具がオフィスの一角と倉庫を占領し続けます。現場でお勧めしている判断基準はシンプルで、「今後1年以内に使う具体的な予定があるか」の一点です。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 1年以内の増員・レイアウト計画で使う | 残す | 買い直すより保管が安い、明確な用途がある |
| 「いつか使うかも」だが具体的な予定なし | 売る | 保管中も年式が進み、状態が悪化する可能性がある。将来の買い直し費用と保管費を比較して判断 |
| メーカー品・製造10年以内 | 売る(値が付くうちに) | 中古市場で評価されやすい層。年式が新しいうちに査定へ |
| ノーブランド・破損・15年超 | 処分 | 値が付きにくい。買取と適正処理の手配をまとめて相談 |
迷ったら、余剰品のリストと写真を作って査定に出してみてください。実際の査定額が分かると、保管するか売却するかを具体的に比較しやすくなります。金額を確認してから、最終判断をしても遅くありません。
売り時の話——寝かせた家具は安くなる
縮小案件でよくお伝えしているのが、この話です。余った家具を空き会議室や倉庫に1〜2年保管したあとに手放そうとすると、査定が下がっていることがあります。主な理由は2つです。
ひとつは年式の経過です。中古オフィス家具の査定では、メーカー・状態・仕様に加えて製造年も重要な判断材料になります。日本オフィス家具協会(JOIFA)が示す標準使用期間は机10年・回転椅子8年であり、製造からの年数が長くなるほど再販時の評価は下がりやすくなります。倉庫で使わずに保管していた期間も、年式としては進んでいきます。
もうひとつは保管状態の劣化。倉庫の湿気でクッションにカビが出た、積み重ねてフレームに傷が付いた、キャスターや部品がいつの間にか無くなった——保管中の劣化は現場で本当によく見ます。保管料を払って価値を下げている、という構図さえあり得ます。
結論:余剰が確定したら、早めに査定へ
「落ち着いたら売ろう」と保管している間にも、年式は進み、保管状態によっては傷や汚れが増えることがあります。座席計画が確定して余剰が見えた時点で、まず写真査定だけでも受けておくと、売却と保管を比較しやすくなります。
少量でも売れるのか
縮小案件のロットは、チェア10脚、デスク5台、ワゴン20本といった小〜中ロットが中心です。ここで気になるのが「この量で業者が来てくれるのか」でしょう。
業者によっては、出張買取に最低点数や最低査定額などの条件を設けている場合があります。大量ロットの方が搬出や運搬の効率が良いためです。ビックリユースでは、川崎・横浜戸塚・江戸川・厚木の関東4拠点を活用し、小ロットのご相談にも対応しています。メーカー品で年式や状態が良ければ、少量でも値が付く可能性があります。ただし、地域・数量・品物の内容によっては、店頭への持ち込みをご案内する場合があります。
ポイントは、少量だからこそ写真査定で事前に話を固めておくこと。往復の手間が小さい分、写真で概算→現地で確定→そのまま搬出、と1回の訪問で完結させやすいのが小ロットの利点でもあります。
縮小売却の進め方・5ステップ
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ① 余剰リスト化 | 座席計画にもとづき余剰家具を確定。品目・数量・メーカーを一覧に | 「1年以内に使う予定があるか」で仕分け |
| ② 写真査定 | 家具ごとの写真(チェアは座面裏ラベルも)を送り、概算と買取・処分の仕分けを受領 | スマホ写真で十分。ここで金額感が見える |
| ③ 社内チェック | 売却対象の引き出し・収納を空にし、書類・私物・データ機器を回収 | 搬出当日ではなく前日までに完了 |
| ④ 集約・搬出 | 対象家具を1か所に集約し、業務時間外・週末に搬出 | 管理会社へのエレベーター・養生申請を忘れずに |
| ⑤ 精算・書類受領 | 買取明細書(処分があればその記録も)を受領・保管 | 経理処理の根拠資料になる |
費用対効果——賃料削減と売却代金
縮小の意思決定はふつう賃料削減が主目的で、家具の売却代金はおまけと思われがちです。ただ、モデルケースで見ると無視できない金額になります。
たとえば座席を30席減らし、デスク30台・チェア30脚・ワゴン30本が余る場合、オカムラ・コクヨ・イトーキなどのメーカー品で、年式や状態が良ければ、ロット全体で数万円から十数万円の買取になることがあります。一方、値が付かない家具をすべて処理する場合は、搬出条件や物量によって車両費・人件費・処理費が発生します。売却できる物を先に仕分けることで、処理費の圧縮につながる可能性があります。
さらにフロア返却型なら、返却が1ヶ月早まるだけで賃料1ヶ月分が浮きます。家具の搬出がボトルネックで返却が遅れるのが一番もったいないパターンなので、賃料削減のスケジュールに家具売却を最初から組み込むことをお勧めします。品目別の相場感は別記事「オフィス家具の買取相場早見表」をご覧ください。
売却後の経理処理
買取代金の会計処理は、その家具を購入時に固定資産として計上したか、消耗品費などで費用処理したかによって異なります。固定資産台帳に残っている場合は、売却額と帳簿価額との差額を固定資産売却益または固定資産売却損として処理するのが一般的です。購入時に費用処理済みの場合は、雑収入などで計上するケースがあります。値が付かず除却する資産についても、帳簿価額や処分状況に応じた処理が必要です。仕訳の具体例は別記事「オフィス家具を売却したときの経理処理」でパターン別に解説しています。実際の勘定科目や保存期間は、会社の処理方法や取引内容によって異なるため、税理士・会計担当者へご確認ください。
よくある質問
チェア10脚だけといった少量でも買取してもらえますか?
ビックリユースでは小ロットのご相談にも対応しています。メーカー品で年式や状態が良ければ、数脚からでも値が付く可能性があります。まずは写真(チェアは座面裏のラベルも)をお送りください。ただし、地域・数量・品物の内容によっては、店頭への持ち込みをご案内する場合があります。
業務時間中に搬出作業をされると困るのですが。
縮小案件では、業務時間外や週末に搬出を寄せる段取りが一般的です。対象家具を事前に1か所へ集約しておくと、作業時間も執務エリアへの立ち入りも最小化できます。ビルの搬出時間制限がある場合は、査定時にお知らせください。
余った家具はしばらく倉庫に保管してから売っても同じですか?
同じとは限りません。保管中も年式は進み、傷・カビ・部品紛失などで状態が悪化する可能性があります。余剰が確定した時点で、少なくとも写真査定だけは受けておくことをお勧めします。
売る物と処分する物が混ざっています。まとめて頼めますか?
まとめてご相談いただけます。ビックリユースでは、古物商許可(神奈川県公安委員会・第451330006111)にもとづく買取と、許可を持つ事業者による収集運搬・処分を含む適正処理の手配を1窓口で承ります。売れる物・売れない物の仕分けは、写真査定の段階からご案内します。
新しい家具の搬入と入れ替えのタイミングを揃えられますか?
レイアウト刷新に伴う入れ替えでは、旧家具の搬出日程を新家具の搬入計画に合わせて調整するのが基本です。搬入業者との時間調整や、入れ替え当日の一時保管の要否も含めて、査定時に全体スケジュールをお聞かせください。
中古オフィス業界20年以上のおやじの一言
業界20年以上のおやじのつぶやき
縮小のご相談で現場に伺うと、空いた会議室が家具置き場になっている光景をよく見ます。「いつか使うかもしれないから」。その気持ちは分かります。でも、実際に再び必要になったときには、人数や働き方が変わり、欲しい家具も変わっていることが多いものです。保管場所に家賃や倉庫代がかかり、その間にも年式は進んでいきます。座席の計画が決まったら、まず余る物の写真を撮って送ってください。売るか残すかは、査定額と保管コストを見てから決めればよいと思います。