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オフィスの原状回復費用はいくら?坪単価の相場と「家具買取」で総額を圧縮する方法【2026年版】

オフィスの原状回復費用はいくら?坪単価の相場と「家具買取」で総額を圧縮する方法【2026年版】

オフィス家具買取 2026年7月21日

「原状回復の見積、届いたんですけど……この金額、普通なんでしょうか?」——オフィスの退去が決まったご担当者から、買取の現地査定のときによくいただく質問です。届いた見積を見せていただくと、正直に言うと「ちょっと高いですね」とお伝えするケースが少なくありません。

オフィスの原状回復は、住宅の退去とはルールがまったく違います。負担範囲は借主側が広く、しかも多くの契約では工事業者が貸主指定。相見積で競争が働きにくい構造のため、最初に提示される金額は相場より高めに出やすいと言われています。

そこで今回は、中古オフィス家具の買取を20年以上続けてきた立場から、原状回復費用の坪単価相場と、見積を適正な水準に近づける考え方、そして私たちの専門分野である「家具・什器を工事前に買取で先抜きして、退去の総額を圧縮する」段取りを、この1本にまとめました。

最初に大事な注意:金額はあくまで一般的な目安です

原状回復の費用は、物件のグレード・契約書の特約・工事範囲によって大きく変わります。本記事の金額は公表資料や業界で一般的とされる水準をもとにした目安です。実際の判断は、必ずご自身の賃貸借契約書と見積書の内訳をもとに行ってください。

オフィス原状回復費用の坪単価相場【規模別】

まず全体感からです。オフィスの原状回復費用は「坪単価×坪数」で語られるのが一般的で、規模別の目安は次のように言われています。

オフィス規模 坪単価の目安 50坪換算のイメージ
小規模(〜30坪・中小ビル) 2〜5万円 —
中規模(30〜100坪) 5〜8万円 250〜400万円
大規模(100坪〜・ハイグレードビル) 8〜12万円 —

ここで知っておいていただきたい数字がもう1つあります。原状回復の適正査定を行っている一般社団法人RCAA協会の公表では、貸主指定業者から最初に提示される坪単価は規模を問わず中央値で約10〜12万円。ところが適正査定を経て当事者が合意した金額は、坪あたり中央値で約5.8〜7万円だったとされています(2026年5月時点の同協会公表実績)。

つまり、最初の見積と着地点の間には、坪あたり数万円クラスの開きが生まれることが珍しくない、ということです。50坪なら総額で百万円単位の差になり得ます。「届いた見積をそのまま承認する」のは、それだけでもったいない可能性があります。

なぜ最初の見積は高くなりやすいのか

誤解のないように先に言っておくと、指定業者が不当なことをしている、という話ではありません。高くなりやすいのには構造的な理由があります。

理由1:貸主指定業者で競争が働きにくい

オフィスの賃貸借契約では、原状回復工事の施工業者が貸主側の指定になっている(いわゆるB工事)ケースが多数派です。借主が自由に相見積を取って安い業者に頼む、ということが原則できないため、価格競争の圧力がかかりにくい構造になっています。

理由2:工事範囲が「借主負担全部」で広めに引かれがち

住宅と違い、オフィスの原状回復は経年劣化分も含めて借主負担とする特約が一般的です。そのため見積の初期段階では、天井・照明・間仕切り撤去・床・クロスと、範囲を広めに、グレードを高めに積まれる傾向があります。本来は契約書で範囲が決まっているはずなので、ここに交渉の余地が残ります。

理由3:残置物の撤去処分費が「工事の一部」として乗ってくる

そして私たちの現場で一番よく見るのがこれです。デスク・チェア・キャビネットなどの什器を残したまま見積を取ると、「残置物撤去処分費」として廃棄前提の費用が工事見積に計上されます。まだ使える家具も、工事業者から見れば「撤去して処分する物」。ここが、あとで説明する「買取で先抜き」の効く場所です。

見積書でチェックすべき内訳と適正化の3ステップ

見積が届いたら、金額の大小を眺める前に、次の3ステップで中身を確認してください。

ステップ1:契約書の「原状回復条項」と特約を読み直す

借主の負担範囲は、相場ではなく契約書が決めます。「入居時の状態に戻す」の基準となる図面や仕様書(入居時の原状図)があるか、造作の所有権がどちらにあるかをまず確認しましょう。契約書にない工事が見積に入っていれば、その項目は協議の対象になります。

ステップ2:「一式」表記の項目は明細を出してもらう

「内装解体工事 一式」「諸経費 一式」のような表記は、数量と単価が見えません。数量(平米数・箇所数)と単価が書かれた明細を出してもらうだけで、過剰な範囲やグレードに気づけるようになります。これは借主として当然お願いしてよいことです。

ステップ3:スケジュールに余裕を持って協議する

退去日が目前に迫ると、「もう時間がないので言い値で」という着地になりがちです。原状回復工事は30〜50坪で2週間程度、100坪以上では1ヶ月かかることも珍しくないとされています。見積の取得と協議は、遅くとも退去日の3ヶ月前には始めておくと、交渉の余地を残せます。

家具・什器は工事に含めない——「買取で先抜き」の仕組み

ここからが本題です。原状回復の総額を下げる方法として工事費の交渉はよく語られますが、実はもう1つ、自社所有の家具・什器で、賃貸借契約やビル側のルールに抵触しない範囲で実行できる圧縮策があります。それが、家具・什器を工事の見積から外して、先に買取業者に引き取らせる「先抜き」です。

仕組みは単純です。まず一枚の図で見てください。

不要になった家具・什器(デスク・チェア・書庫)
↓

工事見積に残したまま

工事業者にとっては「撤去して捨てる残置物」

↓
残置物撤去処分費を支払う
(物量・搬出条件・処分内容により変動)
↓

工事の前に買取業者へ(先抜き)

買取業者にとっては「次のお客様に届ける商品」

↓
買取代金を受け取る
(処分費が消え、収入に変わる)

図:同じ什器でも、通すルートによって「支出」と「収入」に分かれる

什器を残したまま工事見積 買取で先抜きしてから工事見積
家具・什器の扱い 残置物撤去処分費として支出 買取代金として収入(値がつく分)
処分の法的な扱い 産業廃棄物として処理 有価物の売買(買取分はマニフェスト不要)
工事見積への影響 撤去・搬出・処分の費目が乗る 残置物撤去費を見積対象から外せる可能性がある

ポイントは、同じ家具が「工事業者にとっては処分費のかかるゴミ」で、「買取業者にとっては商品」だということです。どちらのルートに乗せるかで、マイナスがプラスに変わります。

オフィス什器の撤去・処分費は、車両台数だけでなく、品目、重量、搬出条件、作業人数、養生、収集運搬費、処分費によって大きく変わります。売却できる什器を先に買取へ回せば、処分対象となる物量を減らし、買取代金を退去費用の一部に充てられる可能性があります。

先抜きでいくら変わる?費用シミュレーション

50坪・従業員20名程度のオフィスが退去するケースで、イメージをつかんでいただきます。金額はあくまで一般的な目安と自社の買取事例レンジをもとにしたモデルケースです。

費目 什器を残したまま 買取で先抜きした場合
原状回復工事費(坪6万円×50坪と仮定) 300万円 300万円
残置物撤去処分費(4トン車クラス) +撤去・処分費 買取対象外品の量に応じて別途発生
デスク・チェア・書庫等の買取代金 0円 −数万〜数十万円(マイナス=収入)
什器まわりの収支差 撤去・処分費の支出 処分費の削減+買取収入の可能性

買取代金の幅が大きいのは、什器の中身次第だからです。オカムラやコクヨ、イトーキといった国内大手メーカーの製造年が新しいチェアがまとまった数あれば数十万円に届くこともありますし、ノーブランド中心なら数万円にとどまることもあります。それでも、「処分費を払う側」から「代金を受け取る側」に回れるインパクトは変わりません。

なお、機種ごとの具体的な買取相場は、別記事「オフィス家具の買取相場早見表」でメーカー別・品目別にまとめています。手元の什器で見当をつけたい方はそちらをご覧ください。

買取に回せる家具・回せない家具

すべての家具に値がつくわけではありません。現場での実感も込めて、傾向を正直にお伝えします。

査定が伸びやすい 値がつきにくい・買取困難
オカムラ・コクヨ・イトーキ・ハーマンミラーなど有名メーカー品 ノーブランド・通販系の廉価品
製造からおおむね10年以内(チェアは新しいほど有利) 製造10年超(特に大手メーカー以外)
同型番がまとまった数そろっている 破損・汚れ・においが強いもの
傷・汚れが少なく可動部が正常 リース品(所有権が自社にないもの)

ちなみに、オフィス家具の業界団体である日本オフィス家具協会(JOIFA)は、標準使用期間を机10年・回転椅子8年としつつ、それを過ぎても機能的に使えるものが多いという見解を示しています。「もう古いから値はつかないだろう」と自己判断で廃棄リストに入れる前に、一度査定に出してみる価値はあります。

値がつかなかった分はどうするのか、という点も大事です。廃棄する場合、オフィスの什器は事業系の廃棄物なので、家庭の粗大ごみのようには出せません。廃棄まで含めて頼むなら、古物商許可と産業廃棄物収集運搬業許可を確認し、処分は許可を持つ処分業者へ適正に委託できる窓口にまとめると、買取・収集運搬・処分の工程を整理しやすくなります。ビックリユースは、古物商許可(神奈川県公安委員会 第451330006111号)および産業廃棄物収集運搬業許可のもと、買取と適正処分の手配をあわせてご相談いただけます。

退去スケジュールのどこで買取査定を入れるか

先抜きは、タイミングを外すと効果が半減します。理想の順番はこうです。

時期 やること
退去3ヶ月前まで 新オフィスへ持っていく什器と手放す什器を仕分け。手放す分のリストを作る
退去2〜3ヶ月前 買取査定を依頼(写真査定→現地査定)。並行して原状回復の見積協議
引越し当日〜直後 買取品の引き渡し・搬出。値がつかない分の廃棄もあわせて実施
その後〜退去日 空室に近い状態で原状回復工事(2週間〜1ヶ月)

大事なのは、原状回復の見積が確定する前に「什器は自社で処分(売却)します」と伝えておくことです。見積確定後に什器を抜いても、減額協議がもう一手間になります。先に抜く前提を伝えておけば、見積そのものから残置物撤去費が外れます。

移転全体の逆算スケジュールは、別記事「オフィス移転は何ヶ月前から動く?退去日から逆算するスケジュール表」で月ごとに整理しています。移転そのものの段取りから確認したい方はそちらをご覧ください。

まとめ:見積の適正化と「先抜き」はどちらも借主の権利

ポイント 要点
坪単価の目安 小規模2〜5万/中規模5〜8万/大規模8〜12万円。ただし当初提示はこれより高いことが多い
見積の適正化 契約書の負担範囲を確認し、「一式」は明細を出してもらう。協議は退去3ヶ月前までに開始
家具・什器の先抜き 残置物撤去処分費(支出)を買取代金(収入)に変える。見積確定前に伝えるのがコツ
業者選び 古物商・産廃収集運搬の許可と処分先を確認し、買取から適正処分まで窓口をまとめる

原状回復費用は、提示額だけで判断せず、契約上の負担範囲と見積内訳を確認し、対象外にできる項目を整理したうえで協議することが大切です。そのうちの家具・什器の部分は、私たちのような買取業者が今日からお手伝いできます。見積書が届いて金額に驚いたら、まず什器のリストと写真を送ってみてください。

よくある質問

オフィスの原状回復費用の坪単価はいくらくらいですか?

一般的な目安として、小規模オフィス(〜30坪)で坪2〜5万円、中規模(30〜100坪)で5〜8万円、大規模・ハイグレードビル(100坪〜)で8〜12万円と言われています。ただし貸主指定業者の当初提示はこれより高いケースが多く、内訳の確認と協議で下がる余地があるとされています。

原状回復の工事業者は自分で選べないのですか?

多くのオフィス賃貸借契約では、原状回復工事は貸主指定の業者が施工する定めになっています。ただし工事範囲や金額の妥当性を確認・協議することは借主として可能です。一方、家具・什器の売却や処分は原状回復工事とは別に手配できる場合があります。ただし、賃貸借契約やビルの搬出ルール、指定業者の有無を事前に確認してください。

家具の買取だけで原状回復費用そのものは下がりますか?

工事費の坪単価自体が下がるわけではありませんが、見積に含まれがちな残置物撤去処分費を外せるうえ、買取代金が入るため、退去にかかる総額は圧縮できます。什器の内容によっては、処分費の支出が買取収入に転じることもあります。

買取査定はいつ依頼すればいいですか?

退去の2〜3ヶ月前が目安です。原状回復の見積が確定する前に「什器は自社で売却する」と伝えておくと、見積から残置物撤去費を外しやすくなります。引き渡し自体は引越し当日〜直後に行うのが一般的です。

値がつかなかった家具はどうすればいいですか?

オフィスの什器は事業系の廃棄物のため、家庭の粗大ごみとしては出せず、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。古物商許可と産業廃棄物収集運搬業許可を確認し、許可を持つ処分業者への委託まで適正に手配できる業者に相談すれば、買取から処分までの窓口をまとめやすくなります。買取明細やマニフェストなど、必要書類の発行・管理方法も事前に確認してください。

中古オフィス業界20年以上のおやじの一言

業界20年以上のおやじのつぶやき

現場で査定していると、原状回復の見積書を見せてもらう機会が本当に多いんです。それで「残置物撤去処分 一式」の行を指さして、「これ、うちが買い取ればこの行ごと消えますよ」とお伝えすると、皆さん一様に驚かれます。工事屋さんにとってはゴミでも、うちにとっては次のお客様に届ける商品ですから。退去で一番もったいないのは、まだ働ける家具に処分費を払って捨てることです。見積にハンコを押す前に、一本ご連絡ください。


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