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中古で選ぶならどのメーカー?オカムラ・コクヨ・イトーキ・プラスの違いを中古市場の実態から解説

中古で選ぶならどのメーカー?オカムラ・コクヨ・イトーキ・プラスの違いを中古市場の実態から解説

2026年8月31日

「オフィス家具はどこのメーカーがいいんですか」。この質問は、新品を扱う店と中古を扱う店とで、答えが変わります。

新品なら、カタログの性能と価格と保証で比べれば済みます。ところが中古は違う。そのメーカーの製品が、いま何台、どんな状態で市場に出ているかが効いてくるからです。カタログで最高の椅子でも、市場に3台しか出ていなければ、20人分は揃いません。逆に、カタログ上は地味な機種でも、大量に流通していれば安く早く揃います。

そしてもうひとつ、中古では「何年か経った後のこと」が新品以上に重要になります。部品は手に入るのか、同じ品を買い足せるのか。ここがメーカーによってはっきり違います。

今回は、中古オフィス家具の販売と買取を20年以上やってきた立場から、主要メーカーを2つの面で整理します。ひとつは各社の成り立ちと設計思想。もうひとつは、中古市場での実態です。どのメーカーが優れているという話ではなく、どんな買い方にどのメーカーが向いているかという整理をしていきます。

中古では4つの軸でメーカーを見る

本題に入る前に、見る軸をそろえておきます。中古でメーカーを比べるときは、新品とは違う4つの軸があります。

軸 何を見るか 効いてくる場面
流通量 中古市場にどれだけ台数が出回っているか 同じ品を10台20台とまとめて揃えたいとき
値持ち(リセール) 何年か使った後に、いくらで売れるか 次の移転で手放すとき。総支出が変わる
部品の入手性 キャスターや肘、棚受といった部材が手に入るか 長く使う前提のとき。壊れたときの選択肢が変わる
型番の見分けやすさ 現物から機種と年式を特定できるか 買い足すとき、売るとき。査定額にも直結する

この4つは、新品のカタログには載っていません。市場に出てくる現物を毎日見ている側にしか分からない部分です。以下、メーカーごとに見ていきます。

オカムラ——中古市場で最も台数が動くメーカー

成り立ち:航空技術者たちが1945年に始めた会社

オカムラは1945年、終戦の年に横浜市磯子区岡村町で創業しました。設立の趣旨に賛同した技術者たちが、資金・技術・労働力を提供し合って「協同の工業・岡村製作所」としてスタートした会社です。その後はスチール家具だけでなく、トルクコンバータや国産飛行機の開発にも取り組み、培った技術力を幅広い製品づくりに生かしてきました。

デザイン面でも、1963年に折りたたみイスで初のグッドデザイン賞を受賞して以降、国内外のデザイン賞を多数受賞しています。技術力とデザインの両面で評価されてきたことが、オカムラの特徴のひとつです。

中古市場では:どの価格帯にも在庫がある

中古市場でのオカムラは、とにかく台数が多い。当社のチェア在庫を見ても、常に上位を占めます。理由は単純で、国内の大企業のオフィスに大量導入されてきたからです。そのオフィスが移転や縮小をするたびに、まとまった台数が市場に出てきます。

価格帯の分布も広いのが特徴です。コンテッサやバロンのような上位機種から、汎用の事務椅子まで、どの帯にも在庫がある。「予算がこのくらいなんですが」という相談に、いちばん答えやすいメーカーです。

収納家具でも同じことが言えます。レクトラインをはじめとするスチール収納は流通量が多く、書庫を10台まとめたいといったご要望にも応えやすい。当社の書庫在庫でも、オカムラ製は常に一定数あります。

値持ちと見分けやすさ

上位機種の値持ちは良いほうです。コンテッサの二代目にあたるコンテッサセコンダは、状態が良ければ買取でも相応の評価になります。逆に、汎用の事務椅子は台数が多いぶん、単価は控えめです。

型番の見分けについては、多くの製品で座面裏などのラベルから型番や仕様を確認しやすいのがオカムラの良いところです。この情報が読めれば、追加購入も売却も話が早い。買取査定の際も、ラベルが残っている個体は評価がしやすくなります。

コクヨ——価格帯の層がいちばん厚い

成り立ち:和式帳簿の表紙屋から120年

コクヨの創業は1905年。もともとは和式帳簿の表紙を作る店から始まりました。文具の会社という印象が強い方も多いと思いますが、オフィス家具でも長い歴史があります。1965年にスチールデスク、1966年にチェアへ参入し、1969年には日本で初めてのライブオフィス(自社オフィスを実験場として公開する取り組み)を開設しています。

「モノではなく体験をつくる」という考え方を掲げている会社で、家具単体よりも働く場全体をどう設計するかという視点が強い。オフィス空間の提案から入る仕事が多いのも、この会社の特徴です。

中古市場では:エコノミー帯の選択肢が豊富

コクヨの中古で助かるのは、価格帯の層の厚さです。ベゼルやイングのような上位機種から、ウィザードやチェロといった実用機まで、幅広く流通しています。

特に1万円前後で買える実用チェアの層が厚いのがコクヨです。新しく事務所を立ち上げる、増員で数脚足す、といった場面で頼りになります。当社でも、この価格帯のご相談ではコクヨ製をご提案することが多いです。

デスクや収納も同様で、汎用性の高い定番シリーズが長く作られてきたぶん、中古の玉数があります。同じ色味で揃えたいというご要望にも応えやすいメーカーです。

世代の見分けに少し慣れが要る

ひとつだけ、中古で買うときの注意を書いておきます。コクヨの人気シリーズは長く作られているぶん、世代によって仕様が違うことがあります。ウィザードのように、初代から4代目まで続いているシリーズが典型です。

見た目が似ていても、機能や部品が異なる場合がある。買い足しを予定しているなら、いま使っているものの世代を確認してから探すのが確実です。当社では現物のラベルと形状から世代を判断してお伝えしています。

イトーキ——シリーズが多く、掘り出し物が出やすい

成り立ち:1890年、大阪から始まった発明品の会社

イトーキの創業は1890年。伊藤喜十郎が大阪で始めた会社で、当初は文具や事務機器の輸入・販売を手がけていました。新しい発明品を世に広めるという姿勢が、この会社の原点にあります。

掲げているのは「明日の『働く』をデザインする」。高機能チェアの代表例であるスピーナは、2007年度にグッドデザイン金賞を受賞しました。人の身体の動きや座り心地を研究しながら製品開発を続けてきた、研究開発志向の強いメーカーです。

中古市場では:機種の幅が広く、価格の振れも大きい

イトーキの中古は、機種のバリエーションが豊富です。スピーナやアクトのような高機能機から、サリダのような手に届きやすい価格帯まで揃います。

面白いのは、同じメーカーの中で価格の振れがいちばん大きいことです。当社の在庫でも、7千円台のものと2万円台後半のものが同時に並びます。予算に幅があるお客様には、選択肢を出しやすいメーカーです。

会議テーブルやスタックテーブルでも、リリッシュのような定番シリーズが流通しています。什器を一式そろえるとき、チェアからテーブルまで同じメーカーで統一するという選び方もできます。

タイミング次第のところがある

正直に言うと、イトーキは入荷のタイミングに左右されるメーカーです。オカムラほど常時大量に出ているわけではないので、「スピーナを10脚」といったご要望には、在庫状況次第でお時間をいただくことがあります。

逆に言えば、良い個体がまとまって入ったときが買い時です。台数が必要で機種にこだわりがあるなら、入荷したら連絡が届くようにしておくのが賢い買い方です。

プラス——数を揃えるときに効いてくる

成り立ち:1948年、事務用品の卸から

プラスは1948年、事務用品の卸業として創業しました。ここが他の3社と少し違うところで、作る会社であると同時に、届ける会社として育ってきた歴史があります。

その象徴が、社内カンパニーとして運営されているジョインテックスです。オフィス家具から日用品まで、企業向けの幅広い商品を扱う中間流通の仕組みを持っています。カタログ通販という形で、全国の事業所に事務用品と家具を届けてきました。

中古市場では:実用機の層と、上位機種のギャップ

プラスの中古は、実用的な価格帯に厚みがあります。ミーティングチェアのような数を要する品目で、手頃な価格の在庫が見つかりやすい。当社でも3千円台のミーティングチェアが並ぶことがあります。

一方で、BeneSのような高機能チェアも流通しています。こちらは2万円台という価格帯で、上位機種としては手が届きやすい部類です。

収納家具では、LINXのようなシリーズが中古市場によく出ます。会議室用の椅子を20脚、書庫を5台、といった「数の要る場面」で選択肢に入ってくるのがプラスの立ち位置です。

ハーマンミラー——中古でも値が落ちない例外

成り立ち:1905年、ミシガンの家具会社

ハーマンミラーの前身となるStar Furniture Companyは1905年、アメリカ・ミシガン州ジーランドで創業しました。1923年にHerman Miller Furniture Companyへ社名を変更し、その後、イームズ夫妻やジョージ・ネルソンといったデザイナーとの協業を通じて、20世紀のモダンデザインを代表する製品を世に送り出してきました。

アーロンチェアはニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションにも収蔵されています。オフィスチェアでありながら、デザイン史の中でも評価されていることが、ブランド価値の高さをよく表しています。

セイルチェアをデザインしたイヴ・ベアールは、デザインスタジオ「fuseproject」の創設者で、JawboneのヘッドセットやToshibaの製品など幅広いプロダクトを手がけてきたデザイナーです。家具メーカーの枠にとどまらないデザイナーとの協業も、ハーマンミラーらしさのひとつです。

中古市場では:値が落ちない、だから買取も高い

ハーマンミラーは、中古市場でも値持ちしやすいブランドのひとつです。人気機種は年数が経っても一定の中古需要があり、価格が維持されやすい傾向があります。当社の在庫でも、アーロンチェアは7万円台という価格帯で扱うことがあります。

売る側から見れば、これは大きなメリットです。状態や年式、仕様にもよりますが、買取時にも一般的な事務チェアより高い評価になりやすい。「購入価格は高いけれど、手放すときにも価値が残りやすい」というのが、このメーカーの特徴です。

ひとつだけ注意点があります。人気があるぶん、相場から著しく安い価格を掲げる通販サイトには気をつけてください。正規の中古市場での相場から極端に外れた価格には、必ず理由があります。実店舗で現物を確認できる店を選ぶ、というのが最も確実な自衛策です。

5社を横並びで比べる

ここまでの内容を、冒頭の4軸で整理します。中古市場での実態を、当社の在庫と買取の現場感覚からまとめたものです。

メーカー 流通量 値持ち 中古での立ち位置
オカムラ 非常に多い 上位機種は良好 価格帯を問わず在庫が見つかる。まとめ買いの第一候補
コクヨ 多い 中位 1万円前後の実用機が厚い。立ち上げ期の事務所に向く
イトーキ 中程度 機種による 価格の幅が広い。タイミングが合えば良い買い物ができる
プラス 中程度 実用機は控えめ 数の要る品目に強い。会議室やミーティングチェア
ハーマンミラー 少ない 非常に良い 価格は高いが、手放すときに戻る。象徴的な1脚として

※中古市場での実態に関する記載は、当社の在庫状況と買取現場での経験に基づく評価です(2026年8月時点・自社調べ)。

参考までに、当社の販売サイトに現在掲載している中古オフィスチェアは2,300点を超えています。この中でメーカー別の構成を見ると、上の表の傾向がそのまま数に表れます。台数が要る計画ほど、流通量の軸が効いてくるということです。

実売価格で見るとこうなる

メーカー 機種 中古価格(税込)
プラス ミーティングチェア M-500シリーズ 3,713円
イトーキ リエット KT-330PG-T1 6,600円〜
オカムラ 役員チェア CE66SZ 9,900円
オカムラ カロッツァ CK95ZR 13,750円
イトーキ エフチェア KG-130GSHM-T1B2 17,600円
イトーキ スピーナ KE-715GP-T1M4 19,800円
プラス 高機能チェア BeneS 22,000円
コクヨ デュオラ(肘無し) 25,300円
ハーマンミラー アーロンチェア Bサイズ 77,000円

※ビックリユース販売サイト掲載価格(2026年8月時点・自社調べ)。在庫は随時入れ替わります。

保証と部品——中古でどこまで期待できるか

ここは正直に書いておきます。中古品に新品購入時のメーカー保証がそのまま適用されるとは限りません。保証条件はメーカーや製品、購入時期によって異なるため、中古で購入する場合は販売店独自の保証内容を確認することが大切です。

参考までに、オカムラのオフィスシーティングでは、外装・表面仕上げが1年、機構部・可動部が2年、構造体が3年(一部製品は8年)と案内されています。こうした保証期間は製品の寿命そのものを示す数字ではありませんが、中古品ではガスシリンダー、ロッキング、キャスターなどの機構部・可動部を重点的に確認するという考え方の参考にはなります。

部品の入手性は「シリーズが現行かどうか」で決まる

補修部品については、各社とも生産終了後の供給年数を明示的に公表しているわけではありません。コクヨの案内では、製造を終了した商品について、やむを得ない理由により補修部品の手配が難しい場合があるとされています。

つまり現行に近いシリーズほど部品が手に入りやすく、古いシリーズほど難しくなる。これが実態です。長く使う前提で、いずれ部品交換をする可能性があるなら、あまりに古い世代は避けたほうが無難ということになります。

ただし、キャスターのように汎用品が使える部材もあります。オフィスチェアのキャスターは軸径11mm・軸長22mmという規格が広く使われており、この規格に合えば市販品で交換できる場合があります。とはいえメーカーによって独自の寸法を採用している例もあるため、交換前には必ず現物を実測してください。

ビックリユースでは、中古オフィス家具に1年間のプレミアム保証を付けています(中古OA機器は30日動作保証)。保証対象外となるケースなど条件がありますので、詳しくは安心保証ページをご確認ください。

目的別・メーカーの選び分け早見表

こんな場合 向いているメーカー 理由
同じ椅子を20脚まとめたい オカムラ、コクヨ 流通量が多く、同一機種がまとまって出やすい
立ち上げで予算を抑えたい コクヨ、プラス 1万円前後の実用機が見つかりやすい
数年後に売ることを見込みたい ハーマンミラー、オカムラ上位機 値持ちが良く、買取時の戻りが期待できる
来客に見える場所に置く ハーマンミラー、オカムラ デザインの評価が高く、1脚で印象が変わる
長時間座る人の席にしたい イトーキ、オカムラ上位機 人間工学に基づく高機能機の選択肢が多い
会議室の椅子を数そろえたい プラス、コクヨ ミーティングチェアの在庫が出やすい
後から買い足す前提 オカムラ、コクヨ 継続入荷が見込めるため、追加の可能性が高い

この表を作っておいて言うのもなんですが、メーカーで決めるより先に「何脚要るのか」「いつまでに要るのか」を決めてください。中古は在庫が有限です。機種を先に決めると、揃うまで待つことになります。台数と納期が決まっていれば、そこから逆算して現実的な候補をご提案できます。

よくある質問

中古オフィス家具は、どのメーカーがいちばん台数を揃えやすいですか

流通量ではオカムラとコクヨが多く、同一機種がまとまって出やすい傾向があります。国内の大企業で大量導入されてきた製品が、移転や縮小のたびに市場へ出てくるためです。20脚30脚といったまとめ買いを前提にするなら、この2社を軸に探すと現実的です。

中古で買った家具にメーカー保証は付きますか

中古品に新品購入時のメーカー保証がそのまま適用されるとは限りません。保証条件はメーカーや製品、購入時期によって異なるため、販売店独自の保証を確認してください。ビックリユースでは中古オフィス家具に1年間のプレミアム保証を付けています(中古OA機器は30日動作保証)。詳しい条件は安心保証ページをご確認ください。

古い機種を買うと、部品が手に入らなくなりませんか

各社とも生産終了後の補修部品の供給年数を明示的に公表しているわけではありません。コクヨの案内では、製造を終了した商品はやむを得ない理由で部品の手配が難しい場合があるとされています。長く使って部品交換も想定するなら、現行に近い世代のシリーズを選ぶほうが安全です。キャスターのように汎用品で対応できる部材もありますが、寸法は必ず実測してください。

数年後に売ることを考えると、どのメーカーが有利ですか

値持ちの面ではハーマンミラーが際立っており、次いでオカムラの上位機種が評価されやすい傾向にあります。購入価格だけでなく、手放すときの戻りまで含めて考えると、総支出が変わってきます。ただし査定額は状態と年式にも左右されるため、実際の金額は現物を見ての判断になります。

いま使っている椅子と同じものを買い足したいのですが、どう探せばよいですか

まず座面裏などのラベルで型番を確認してください。メーカー名・型番・製造時期の手掛かりが分かれば、同一機種や同一世代を探しやすくなります。人気シリーズは世代によって仕様が異なることがあるため、型番と現物写真までお伝えいただけるとより確実です。在庫状況については、その時点の掲載商品をご確認ください。

中古オフィス業界20年以上のおやじの一言

業界20年以上のおやじのつぶやき

この仕事を長くやっていると、メーカーごとの性格みたいなものが見えてきます。どこが良い悪いではなくて、作ってきた歴史がそのまま製品に出ているんです。技術から入った会社、文具から広げた会社、輸入から始まった会社、流通から育った会社。同じ椅子でも、成り立ちが違えば設計の考え方が違う。

正直に言えば、中古を選ぶお客様に「このメーカーにしなさい」と言ったことはほとんどありません。うちに来られる時点で、だいたい予算と台数が決まっていますから。その条件で、いま倉庫にある物の中から一番いい組み合わせを出す。それが中古屋の仕事です。

ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。いい家具は、手放すときに戻ってきます。10年前に高い椅子を入れた会社さんが移転されるとき、査定額を聞いて驚かれることがある。安い椅子を10年使った会社と、良い椅子を10年使った会社では、最後の一日で差がつくんです。

中古で買うということは、その循環に乗るということでもあります。誰かが大事に使った物を引き継いで、自分たちも大事に使って、次に渡す。うちのような店は、その受け渡しの場所です。20年やってきて、そこだけは変わりません。

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